ⅩⅥ.塔




正位置 破綻、破滅、災厄、因果応報
逆位置 緊張、腐敗、禁忌


正位置 破綻、破滅、屈辱、因果応報
逆位置 緊張、腐敗、欺瞞

 破綻と応報の象徴。
 これを「神の家(教会の俗称)」と「バベルの塔」と読むかで意味合いも変わるが、今回は後者の意味を解説してみる。

 かつて人々は、天にも届く巨大な塔を建てようと試みた。
 しかし天上にまで足を踏み入れようという人間の傲慢に神は憤り、塔は崩壊させられたという。これが「バベルの塔」の逸話である。
 この逸話を基に読み解けば、【塔】のカードは「悪行や傲慢を戒める天罰」の象徴と考えられる。
 今まで積み重ねてきた不徳と欺瞞がついに破綻を迎え、音を立て崩れ落ちる……このカードが示すのはそういった「崩壊」の局面である。

 対して、【塔の逆位置】の暗示は「天罰の齎されない状態」。だがこれは「腐敗や破綻が見逃されている状態」と解釈することもできる。
 それは決して純粋な安寧ではなく、むしろ終末まで秒読みともいえる非常に危険な状態である。
 何もやましいことがないのであればそれで良いのだが、占い結果として出てしまった以上、一度胸に手を当てて考える必要があるのかも……?

 キャラクターとしては「人格や社会的地位に大きな矛盾・破綻を抱えている」「ただし、このまま看過され続けるのも健全とは言い難い」、そんな人物が当てはまる。
 もっと素朴に解釈すれば「天狗になっている人物」といった感じだろう。ジョジョで言うと調子こいてた頃のジョニィ。
 正位置・逆位置ともにマイナスの暗示だが、場合によっては天罰による軌道修正、つまり「一度打ちのめされることによるドン底からの成長」と読むこともできる。