自律と理性の象徴。
一般的には「力」と訳されるが、今回は「剛毅」をより相応しい訳として採用している。
獣(本来の図柄だとライオン)と獣使いのような人物が描かれているが、そのわりに獣使いはあまり力強い人物には見えない。
どころか本来の図柄だとこの獣使いは女性であり、この構図は彼女が獣を力任せに従えているわけではないことを表している。
じゃあこの獣と獣使いは何なんだという話だが、基本的には「獣が欲望」を、「獣使いが理性」をそれぞれ象徴しているという解釈が通説的である。
つまりこのカードが意味するところは「欲望と理性の調和」である。
また、互いを牽制しつつも獣と獣使いの両者が共存しているという点もミソ。
衝動に流されるでもなく、理性が先行して感情を殺すこともなく、自己の中で調和の取れた状態を示すのがこのカードである。
キャラクターとしては「欲望や野心を秘め、力強く行動する」「一方で欲望に呑まれることもなく、折り合いをつけて行動するのも上手い」、そんな人物が当てはまる。
豪快に見えるが意外と気配りがうまいタイプ。
人格の成熟を表すカードでもあるが、裏を返せば現実の許す範囲で夢想するのみで、青天井の夢を見ることは最早叶わないという意味でもある。
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