Ⅴ.法皇




正位置 良識、共感、親切、誤解
逆位置 非常識、反感、無関心


正位置 良識、共感、親切、誤解
逆位置 非常識、反感、無関心

 慈愛と共感の象徴。
 教皇、司祭、神官などとも訳される。

 海外における宗教の重要性は非常に大きい。宗教の戒律がそっくりそのまま、個人が従うべき道徳として捉えられるからだ。
 無論、外国人ならみんなガチガチに戒律を守るのかといわれればそういうわけでもない。
 しかし「お天道様が見てるから……」といった程度の気概が起こるだけで、社会のあり方というものは大きく変化する。
 だからこそ海外において、教会や法皇は権威を持つのである。

 【法皇】のカードが象徴するのは【皇帝】のような権力ではなく戒律。つまりモラルである。
 また、【法皇】は権力者ではあるものの、【皇帝】のような絶対者ではない。宗教という世界観における絶対者はあくまで「神」。
 【法皇】はあくまで一般の信者と神の橋渡しをする存在に過ぎず、他の信徒たちの悩みを聞き、助言し、そして父なる神へ共に祈るだけの存在である。
 良識と秩序、そして「隣人の声に耳を傾け、慈しむ心」こそが、このカードの本質的な暗示となる。

 だが、説法や対話の末に真の理解へ至るかは別問題である。あるいは、理解しすぎたが故のトラブルというものもあるだろう。コミュニケーションと相互理解は大切だが、過干渉は毒である。

 キャラクターとしては「親切で共感性に富む人格者」「ただし思いやりがすぎて、一方的な誤解やおせっかいをしてしまいがち」、そんな人物が当てはまる。
 また、教皇は秩序や伝統の象徴でもあり、信者たちにアドバイスを行う存在であるため、「目上」として扱われがちな人物(たとえば教師など)は特に相性が良い。