Ⅳ.皇帝




正位置 統率、責任、権威、重圧
逆位置 計画倒れ、無責任、凡庸


正位置 統率、責任、権威、重圧
逆位置 無統制、無責任、凡庸

 父性と支配の象徴。
 カードに描かれている皇帝は権力の象徴であると共に、【女帝】と反対に父性を意味する。

 このカードが表すものとは、地位と名誉、そしてそれに由来する統率力である。
 また、タロットナンバーである4の数字は季節や方位などでよく用いられる通り、万物を印象付ける数字である。
 転じてこの皇帝の支配が盤石であり、彼が良きリーダーであることを表している。
 力強くも暖かな父性を以てコミュニティを守る存在、それが【皇帝】というカードの暗示である。

 ところが、このカードには裏の意味がある。それは「重圧」である。
 権威ある立場にはそれだけの責任が伴う。もし国家が失敗を迎えた時、真っ先に責任を問われるのはそれを率いた皇帝自身である。
 謀殺や革命によってその立場を追われた王というのは古今東西に多く見られるが、何も彼らの全てが私利私欲に溺れたわけではない。やむを得ない失敗によって道を断たれた皇帝というのも中にはいよう。
 だが理由があるからといって、失態がなかったことになるわけではない。その弁明に耳を貸す者さえいないだろう。
 責任とはそういうものであり、故に王とはある意味においてコミュニティの生贄なのである。

 キャラクターとしては、「リーダーシップが強く、統率力に長ける」「しかし責任感ゆえ自らを追い詰めがち。立場ゆえの誤解を受けることも多い」という性質が当てはまる。
 キャラクター性としては、対とされる【女帝】よりむしろ【女教皇】が近いかもしれない。