母性と繁栄の象徴。
このカードにおける女帝は大地母神の象徴であるとされる。
母としてのイメージから繁栄を意味すると同時に、子を慈しみ育む母性の象徴でもある。つまり、ここでいう「繁栄」とは「家族(仲間)を作る」ことを意味する。
【女帝】にとっての家族とは国家であり、子供とは国民である。彼女の愛はコミュニティに所属する者全てに分け隔てなく与えられ、それが更なる繁栄のモチベーションとなるのである。
だがその一方で、「仲間を作る」ことは「仲間でない者を明確にする」ことにも繋がる。慈悲深い女帝の寵愛は、家族でない他人に向けられることはないのだ。
外部からは冷たく苛烈な処遇に映る姿勢だが、仲間を守る上で他者を締め出すという選択肢は一般的かつ合理的な措置だということも事実である。
そもそも「仲間ではない相手」に寛容であることは非常に難しいし、排他的な性質を持っていない人間の方が少ないだろう。
そういう意味で、このアルカナはあくまでも普遍的な心理の一部を強調しているに過ぎない。
キャラクターとしては、「包容力があり人懐っこい」「ただし身内以外には狭量で排他的」、そんな人物が当てはまる。
あくまで女帝や地母神という「性質」を表現しているに過ぎないので、女性でなくとも構わない。
|