■ユグドラシルの法律


●概説


リアリティを追求するなら世界的に強い影響力のある国家(たとえば米国)の法体系を基準にすべきなのだが、
実際問題、我々素人がこれらを参照して読み解き、TRPGに落とし込むのはなかなか難しい。
特にアメリカは州ごとに法律が変化する。

そこで一つの「ご都合」として、ユグドラシルの法律・犯罪の基準については現在日本のそれをベースとしたい。
ただしあくまでも下地という話であって、異能者の存在、多民族、隔離された空間と、
ユグドラシルと現代日本の環境には大小さまざまな差異がある。
そういったギャップについて独自の法律や社会システムを設置するのは問題ないし、推奨する。
公式資料としては「航空法」や「武装権の認可」、我々が設置したものとしては「FF法」が例として挙げられるだろう。
あくまで世界観の運営をわかりやすくするための措置と考えてほしい。

また、ユグドラシルはアースガルズ、ミズガルズ、ヘルヘイムの三層に分かれており、
『アレク・ハールバルズ』が統治するアースガルズを頂点としながらそれぞれに統治者を設置している。
三層はそれぞれの環境の差異もかなり激しく、法律単位で社会情勢が異なる可能性が高い。
アレクが大統領だとするなら、『アリス・ディアーネ』や『ジョン・ドゥ』は差し詰め州知事といったところだろう。

公式サイト原文

基本的な法律、犯罪の基準は現在社会の一般的なものとであると理解していただいて構わない。
ただし銃やナイフといった武器の所持は比較的許されている範囲であり、
アメリカ社会の様な法律に近いかもしれない。
宗教も現実と同様のものが存在していると思ってもらって良い。
もちろん新興宗教などを作成するのも自由である。

武器所持に寛容なのは、己の身は基本的に自分で守らなければならないといった認識が強いためである。

なお、ユグドラシルからの脱出を試みる行動や
長距離飛行や航行が可能な技術・船などの所持は
設計図などだけであっても重罪とされ、内容によっては極刑になる場合もある。

武装権

銃器を始めとした武器で武装する権利のこと。
現実の事例においては、アメリカ合衆国憲法の修正第2条にて規定されたものが代表的。

ユグドラシルにもYDFをはじめとした警察組織は存在するが、
それらとは別に「己の身は自分で守らなければならない」という意識も強い。
比較的治安の良い上層ですらそれは変わらず、下層は特に顕著である。

それ故に武装権が容認されており、拳銃などを携帯していても、それ自体は問題にならない。
異能者に関しては存在そのものが危険な武器である、という事情も背景にあるのだろうが。

人造人間に関する法律(FF法)

――……上記の各号を満たした生命体およびシステムは人造人間とみなす。
――人造人間をみだりに製造した者は、3年以上の禁固に処する。

人造人間に関連した条文を取り扱う法律。
人造人間の定義や取り決め、禁止事項や違反者の処罰について規定されている。
ここでいう人造人間は「ヒトに匹敵する情動と知性を有している」と判定された存在のこと。
具体例としては高度な情緒を獲得したAIや化学的ミュータント、ヒトのクローン等があげられる。

自我を獲得したロボットによる暴動事件を契機として整備が急速に進んだ背景から、
聖書における「禁断の果実(Forbidden Fruit)」の寓話になぞらえて「FF法」とも通称される。
PSY現象は精神と密接な関係があり、高度な情緒を持った人造人間たちは「賢者の石」に変容しやすいことも施行を後押しした。

人造人間の製造は、この法律によって原則禁止されている。
権利保障規定としての側面もあり、人造人間として認定された者は【市民登録】の対象となる。
意思決定能力や法律上の権利については原則成人相当として扱うが、
場合によっては後見人(ざっくばらんに言うと“保護者”)を付けることも可能。

当然人権を省みないような運用はご法度だが、
グリゴリシリーズなど違法製造された人造人間は保障された諸権利もどこまで守られているか疑わしい。

IDパス

 各種免許データおよび市民登録データが入力された端末。法人用のものも存在する。
 形状は規格によって差異が存在するものの、公式には「データスティック」と通称されるアンプル状のものが採用されている。
 利用には認証が必要であり、この方法は網膜・声帯・指紋・番号・その他個人情報の入力など様々な方法で可能。
 ユグドラシルは我々の世界と比較して通貨の電子化が進んでおり、クレジットカードとしての機能を担うタイプも非常に多い。

 その性質上、IDパスへのアクセスや不正解析は重罪である。
 また、公認規格であるデータスティックについては神経ジャマーやブラックボックスの技術を応用した能力対策が施されている。